迫真進化するがん治療3 ウイルスを味方に
世界で猛威を振るった新型コロナウイルス。感染者数は6億7000万人を超え、死者は700万人に迫る。
人類に恐れられてきたウイルスだが、その特性をがん治療に役立てようとする逆転の発想が注目を集める。
がんはウイルスで治療できる」。東京大学医科学研究所教授の藤堂具紀は、学生時代から「漠然と考えてきた」という。
その思いは約30年前、米科学誌サイエンスに掲載された1本の論文を読んで確信に変わった。
ウイルスは細胞を乗っ取り増殖する。増殖したウイルスは細胞を破壊し、周囲の細胞に乗り移る。
この特性を利用しがん治療を目指すのがウイルス療法。
22年秋には関連学会も発足。
「ウイルス療法はがんを治癒できる可能性がある。生きているうちに実現したい」。藤堂の挑戦は続く。
ウイルスを使ってがん細胞を攻撃する「腫瘍溶解性ウイルス」の開発が活発化しています。
日本企業では第一三共 <4568> [終値4179円] やタカラバイオ <4974> [終値1814円] 、
オンコリスバイオファーマ <4588> [終値737円] が開発を進めております。